昔の時計 2
1364年、フランス王シャルル5世がパリの宮殿の塔に設置した時計には面白いエピソードが残っています。
現在の時計の文字板には、一般にアラビア数字の123が使われていますが、むかしの時計にはローマ数字のⅠⅡⅢが使われていました。
ローマ数字では4567をⅣⅤⅥⅦというふうに、4はVマイナスⅠ、6はVプラスⅡ、7はVプラスⅢ、8はVプラスⅣ、9は10のXからⅠ引いてⅨと書くのが正しいです。
・・・ところが時計の文字板にかぎって、Ⅸと書くべきところを皿となっていることが多いのです。
これはどういうわけでそうなっているかというと、一説によれば、シャルル5世がつくらせた塔時計にははじめⅣとなっていたのを見て、VからⅠを引くということが気にさわり、文字板のⅨをむりやりに皿と書かせたというのです。
現代のD&G 時計のようなおしゃれな時計にも、アラビア数字を使ったものがありますよね。
シャルル5世は百年戦争でイギリスに占領されていた地方をとり戻し、またルーヴル宮に図書を蒐集するなど大いに文化振興にも努めたので、"賢明王(ル・サージュ)"といわれた名君です。
その名君にして強引な文字改革のエピソードを残したところが興味深いですね。
・・・それはともかく、公共用機械時計は15世紀から16世紀にかけて、教会の塔や市庁舎の塔に取り付けられました。